「部分矯正なら短期間で終わる」「3か月で前歯が整う」

──そんなキャッチコピーを見たことがある人も多いと思います。

 

確かに、動かす歯の本数が少ない分、

“全体矯正よりも早く終わることがある”のは事実です。

 

ですが、実際に治療が始まってみると、

「思ったより時間がかかる」「なかなか動かない」と感じる大人の方も少なくありません。

 

今日は、なぜ大人になると歯が動きづらくなるのか、

そして部分矯正に時間がかかる理由を、

少し深掘りしてお話しします。

 

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大人の歯が動きにくいのは「骨の反応」が遅くなるから

 

矯正で歯を動かすとき、実際に動いているのは“歯”そのものではなく、

歯を支えている「歯槽骨（しそうこつ）」という骨です。

 

矯正力をかけることで骨が片側で吸収され、反対側で新しく作られる──

この“骨の代謝”によって歯が少しずつ位置を変えていきます。

 

ところが大人になると、この骨代謝がぐっとゆるやかになります。

つまり、力をかけても反応が出るまでに時間がかかるのです。

 

これは骨密度が高くなることや、血流量の低下なども関係しています。

いわば「しっかりしている＝動きにくい」という状態。

 

若いころは3か月で動く距離が、

大人では半年かけてようやく動く、ということもあります。

 

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歯ぐきや骨の厚みの変化も影響する

 

年齢を重ねるにつれ、歯ぐきが少しずつ下がったり、

歯を支える骨が薄くなっている方も多く見られます。

 

こうした状態で強い力をかけてしまうと、

歯の根っこが露出したり、歯の寿命を縮めてしまうリスクもあります。

 

そのため大人の部分矯正では、

安全に、そして歯周組織を守りながらゆっくり動かすことがとても重要になります。

 

スピードを優先するよりも、

“その人の骨と歯ぐきの反応を見ながら丁寧に調整していく”──

これが結果的に長く安定する治療につながります。

 

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部分矯正＝「動かす歯が少ない」＝「早い」とは限らない

 

部分矯正は動かす範囲が小さい分、早く終わると思われがちですが、

実際には“噛み合わせとのバランス”を整える必要があり、

想像以上に細かいコントロールが必要です。

 

前歯だけを並べても、奥歯との位置関係がズレてしまえば、

見た目は整っても噛みにくくなることがあります。

 

そのため矯正医は、限られた範囲の中でも

“全体のバランス”を意識して歯を動かしています。

 

特に大人の場合、歯が長年同じ位置にあることで骨が硬くなっており、

ちょっとした移動でも強い抵抗がかかるため、

力を弱めてじっくりと動かす必要があるのです。

 

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スピードよりも「定着」を優先する理由

 

矯正治療のゴールは、“歯を動かすこと”ではなく“きれいな位置に安定させること”。

ところが短期間で動かした歯は、まだ周囲の骨が固まっておらず、

元の位置に戻ろうとする“後戻り”が起きやすい傾向があります。

 

特に部分矯正は、全体矯正に比べて固定源（動かさない歯）が少ないため、

後戻りを防ぐための「保定（リテーナー）」がとても大切になります。

 

ゆっくり動かして、しっかり安定させる。

この時間をかけることこそ、長持ちする矯正結果への近道なんです。

 

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大人の部分矯正は「焦らず・丁寧に」が成功のカギ

 

矯正治療は、見た目だけでなく“歯の健康”にも影響する治療です。

だからこそ、「早く終わる」「短期間で動く」という言葉に振り回されず、

自分のペースと状態に合った方法を選ぶことが大切です。

 

大人の部分矯正は、確かに若い頃より時間がかかるかもしれません。

でもその分、歯を大切にしながら、自分の骨格に合った自然な仕上がりを目指せます。

 

焦らず、じっくり。

それが“長く保てる歯並び”へのいちばん確実な道です。

 

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💬まとめ

• 大人の歯が動きにくいのは「骨の反応」が遅いから
• 歯ぐき・骨の厚みの変化もスピードに影響する
• 部分矯正でもバランスを取るための時間が必要
• ゆっくり動かすことが「後戻りを防ぐ」ポイント

 

「早い＝良い」ではなく、「安定する＝良い」。

これが、大人の部分矯正における本当のゴールです。

当院ではマウスピース矯正のご相談も行っております！気になる方はぜひお気軽にお問い合わせ下さい✨

スタッフ.N