マウスピースによる部分矯正は、目立ちにくく取り外しが可能なことから、近年とても人気のある矯正方法です。
特に「前歯のちょっとしたズレを治したい」「短期間で整えたい」といった方にとっては、負担が少ない選択肢です。
しかし、矯正を成功させるには日々の生活習慣が非常に重要です。間違った習慣が続くと、歯の移動がうまくいかないだけでなく、治療期間の延長や後戻りの原因になることも。
今回は、部分矯正(マウスピース矯正)中に特に気をつけておきたい生活習慣を紹介します。
■ 1. 装着時間をしっかり守る
マウスピース矯正で最も大切なのが「1日22時間以上の装着」です。
外している時間が長すぎると、歯が計画通りに動かず、治療が遅れてしまいます。
「食事のあと、つい装着を忘れてしまう」
「仕事中は話しづらくて外してしまう」
といった習慣が続くと、せっかくの矯正効果が台無しになることも。外した後は、なるべく早く装着し直す習慣をつけましょう。
■ 2. 飲食時は必ず外す
マウスピースを装着したままの飲食は基本NGです。特に以下の点に注意しましょう。
- 食事中は必ず外すこと(変形や破損の原因に)
- 着色のある飲み物(コーヒー、紅茶、赤ワインなど)は外して飲む
- 甘い飲料も虫歯リスクを高めるので注意 水以外を飲むときは、必ずマウスピース以外すようにしましょう。食後は軽く歯を磨いてから再装着するのが理想です。
■ 3. マウスピースのケアを怠らない
マウスピースは毎日使用するものなので、清潔に保つことがとても大切です。汚れたまま装着すると、口臭や虫歯、歯周病のリスクが高まります。
- 朝晩の歯磨きと合わせて、マウスピースも洗浄する
- 専用の洗浄剤を使い、水でで優しく洗う
- 歯磨き粉は使わず、傷がつかないように注意
持ち運びのケースも定期的に清掃すると◎です。
■ 4. 歯ぎしり・食いしばりに注意
夜間の歯ぎしりや、日中の無意識の食いしばりがある人は要注意。マウスピースの破損や歯への過剰な負担につながります。
気になる場合は、歯科医に相談し、必要であれば別のナイトガードや対策を取りましょう。
■ 5. マウスピースの紛失・破損を防ぐ
外したマウスピースをティッシュに包んで置いておくと、誤って捨ててしまうことがあります。
また、ペットがかじってしまうケースも少なくありません。
- 外したら必ず専用ケースに入れる
- 高温になる場所(車内など)に放置しない
- 破損した場合はすぐに歯科医へ連絡
これらを守ることで、トラブルを未然に防げます。
■ まとめ
部分矯正は治療範囲が限られている分、短期間で効果が出やすい反面、日々の装着時間やケアが結果に直結します。
「ちょっとだけの矯正だから大丈夫」と油断せず、生活習慣を整えて取り組むことが、矯正成功のカギです。
正しい使い方とセルフケアを意識して、理想の歯並びを目指しましょう
歯科衛生士M