矯正治療を始めるにあたって、治療中の痛みが心配な方も多いのではないでしょうか?
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正に比べて痛みが少ない治療法といわれていますが、全く痛みがないわけではありません。
今回は、マウスピース矯正の痛みの程度についてお話しします。痛みの原因と対処法を説明しますので、マウスピース矯正を行うにあたって不安がある方は参考にしてください。
目次
■マウスピース矯正で痛みが生じる原因
マウスピース矯正で痛みが生じる主な原因は以下の3つです。
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歯が動いているため
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マウスピースが粘膜に当たるため
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歯根膜が敏感になるため
それぞれの原因について詳しく解説します。
◎歯が動いているため
私たちの歯には、歯の根となる「歯根」とそれを支える骨(歯槽骨)の間に「歯根膜」という組織があります。矯正治療は歯根膜の伸縮と歯槽骨の吸収や再生によって歯が少しずつ動き、その際に歯周組織に炎症反応が起きるため、痛みを感じる原因となります。
歯が動くことによる痛みの発生はマウスピース矯正だけでなく、ワイヤー矯正も同様です。
マウスピース矯正では新しいマウスピースに交換した直後に痛みを感じることがあります。ただし、この痛みは数日の経過で徐々に治まることがほとんどで、ずっと続くものではありません。
マウスピース矯正で歯が動く仕組みについては、こちらで詳しくご紹介しています。
◎マウスピースが粘膜に当たるため
マウスピースの辺縁が頬や舌などの粘膜に当たり、傷ついて痛みが生じることがあります。この場合はマウスピースを調整することで痛みを解消できます。
なかには、マウスピースが浮いていることで粘膜に当たって痛みが出るケースもあるため、適切にマウスピースを装着できているか確認することも大切です。
◎歯根膜が敏感になるため
歯に矯正力を加えると、歯根膜に力が加わります。
歯根膜は歯に加わる衝撃を和らげるクッションのような役割がありますが、矯正力が加わることで伸縮するため、少しの刺激でも痛みを感じやすい状態です。
そのため、硬いものを噛んだり、強い力で噛んだりすると痛みを感じやすいでしょう。
■マウスピース矯正で痛みが出たときの対処法
マウスピース矯正で痛みが出たときの対処法は以下の3つです。
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痛み止めを飲む
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刺激の少ない食事にする
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歯科医院でマウスピースを調整する
強い痛みが出ているのであれば、歯科医師に相談して痛み止めを服用するのもよいでしょう。
新しいマウスピースに交換した直後は歯に矯正力が加わって痛みが出やすくなります。柔らかい食べ物など歯に負担がかかりにくい食事がおすすめです。
マウスピースが粘膜に当たって痛みが出ている場合は、歯科医院で適切な調整を受けましょう。その際に、マウスピースを適切に装着できているかどうかのチェックも受けるとよいでしょう。
◎自己判断での中断はしないように
痛みが出るとマウスピースを外したくなるかもしれません。しかし、長時間マウスピースを外していると、計画通りに歯を動かせないだけでなく、後戻りを起こしてしまう恐れもあります。
自己判断で治療を中断したり、前のマウスピースを装着したりせず、必ず歯科医師に相談するようにしてください。
【痛みや違和感に不安がある方はマウスピース矯正がおすすめ】
矯正治療は歯を動かす治療のため、マウスピース矯正とワイヤー矯正のどちらの治療方法であっても、痛みがまったくないわけではありません。
ワイヤー矯正に比べて、マウスピース矯正では少しずつ矯正力が加わるため、痛みが少ない特徴があります。薄いマウスピース型の矯正装置を使用するため、ワイヤー矯正よりも違和感も軽減されるでしょう。
矯正治療を始めるにあたって、痛みや違和感が不安な方はマウスピース矯正という選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。