「矯正でEラインがきれいになる」という話を耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。なかには「Eラインって何?」という方もいらっしゃるでしょう。
今回は、Eラインについて、また、Eラインとマウスピース型矯正装置(インビザライン)を用いた矯正治療の関係性についてお伝えします。
Eラインを整えたいという方や、Eラインがきれいになるとどうなるのかを知りたいという方はぜひ参考にしてください。
■Eラインって何?矯正治療との関係性
Eラインとは、顔を真横から見た時の鼻先と下顎の先を結んだラインのことです。正式には「エステティックライン」と呼ばれ、横顔の美しさを決める際に用いられる指標の1つです。この指標では、Eラインより内側に口元が収まっている横顔が美しいとされています。
ただし、Eラインはアメリカの矯正歯科医であるロバート・リケッツ氏によって定義されたもので、欧米人を基準としています。
日本人の場合は、欧米人に比べて鼻が低く、下顎の突出も強くないため、上下の唇の先がEラインに少し触れるか、Eラインよりも少し内側にあることが美しい状態とされています。
Eラインが整うと、横顔全体の印象がすっきりとし、周りに洗練された印象を与えられるでしょう。口元の突出感が軽減されるため、笑顔や会話中の表情がより自然になり、横顔の写真にも自信が持てるようになります。
■矯正治療でEラインが改善される症例について
Eラインは矯正治療によって改善される場合もありますが、改善されない場合もあります。
Eラインが改善されやすいのは、主に出っ歯や口ゴボ(横から見た時に口元が出て見える状態:上顎前突)、受け口など、上下の歯が前に出ていることで横顔に影響しているような症例です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)で歯並びを改善することで、口元の突出感が改善され、Eラインが整いやすくなる可能性があります。
ただし、すべての症例でEラインが改善されるわけではありません。元々、下顎が引っ込んでいるような骨格では、歯並びを改善してもEラインの大きな変化はみられません。矯正治療は骨格を改善する治療ではないため、Eラインの改善にも限度があることを理解しておきましょう。
また、骨格が原因である歯列不正や不正咬合は一般的な矯正治療では対応できず、顎の骨を切断して移動させる外科処置が必要です。骨格が原因の場合は外科処置により、Eラインの改善が期待できます。
【Eラインはマウスピース型矯正装置(インビザライン)で整えられる場合も】
矯正治療で歯の位置が変化することによって、横顔のバランスが整い、美しいEラインをめざせます。マウスピース型矯正装置(インビザライン)での矯正治療を含め、矯正治療の方法に関わらず、Eラインの改善が期待できるでしょう。
ただし、Eラインは口元だけの問題ではなく、鼻の高さや顎の骨格によっても左右されるため、矯正治療だけで改善されるかどうかは一人ひとりの状態によって異なります。
「マウスピース型矯正装置(インビザライン)による矯正治療でEラインを整えたい」という方は、矯正治療を始める前に事前に歯科医師へ相談し、自分に合った方法を見つけることが大切です。